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最終日

5日目

4日目

3日目

2日目

1日目

4.7Youth



2012 LASER 4.7 YOUTH WORLD CHAMPIONSHIP
2012 4.7級ユース世界選手権

Report & Photo : 藤谷 匠
(ジュニア・ユース育成強化委員会)
Edit:オリンピック特別委員会・広報

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体重増とさらなる体力をつけて世界と戦おう
大会閉幕 男女5選手 頑張りました


1204_4.7youth-44.jpg▲男子U18で優勝したハンガリーのVadnaiと高山4月7日(大会6日目:決勝2日目最終日)
 長いようで短い、あっという間にレース最終日を迎えました。
今日は最初の予告信号が11時といつもより2時間早くレースが始まりました。風向は昨日と同じで北西から12~20knotの風が吹きました。選手たちは「やってやる!!」と意気込んでレースに臨みました。
 結果、昨年の成績と比べると男子は全体的に下がってしまいましたが、女子は昨年よりも成績が上がりました。今回は軽風~強風とすべての風域コンディションだったためオールマイティな実力が問われました。今回の結果を見て男子は中風以上では世界上位選手と遜色なく走れることがわかりました。女子はその逆で軽風から中風の風域では世界と互角に戦うことができます。男女それぞれの課題が浮き彫りになった形ですが、今後は風域ごとの基本ボートスピードの向上、また今回のレースでの課題でもあったレース展開と混戦でのポジショニングが重要になると考えます。また、今回優勝した男子ハンガリー、女子ノルウェーの選手は毎日違うコンディションにも関わらずどの風域でもスコアを崩さなかったのは、ミス、ロスが少なかったことだと思います。日本選手はミス・ロス(スタート、ケース、マークタッチ、沈など)がどのレースでもあり、順位を落とす原因となることが多くありました。
これから艇種が変わる選手、4.7級で再チャレンジする選手がいますが、今回の経験を活かして、次のステップに上がって欲しいと思います。
1204_4.7youth-45.jpg▲女子U18で優勝したノルウェーHerudに先行する国見ユースの大会に出られる期間は限られています。その中で結果を出すことは難しいとは思いますが、今の日本選手の実力ではけして不可能ではないと思います。今後の取り組み、姿勢を考えさらなる精進をして欲しいと思います。
 世界選手権は同じ世代の国際交流の機会です。大会では選手が積極的に海外選手とコミュニケーションをとり、レースの話や天気の話、または、セーリング以外にもたくさんの話をしていました。いい光景でした。クロージングセレモニーではユニフォーム交換、連絡先の交換をするなど、世界中のセーラーと知り合いになることは選手たちの今後にとって大きな財産になると思います。世界を知り、交わり、そして学ぶ・・・国際大会参加の大きな意義です。
最後に、当地でたくさんのサポートをしていただいた水上大使夫妻、選手のご両親をはじめ、日本から応援していただいたすべての方々に感謝申し上げます。また、大会に派遣して頂いた関係者各位にも感謝申し上げます。有難うございました。

1204_4.7youth-46.jpg▲本部船サイドでポジション争いする樋口
【高橋昌威コーチの各選手講評】
 最終日も世界選手権にふさわしい中〜強風域の良いコンディションとなりました。全体的な傾向はほぼ5日目と変わりませんが、風軸がずれていくことはなく320~325°付近で安定していました。ただし、ブローの出方は本日の1レース目は左寄りが多かったのですが2レース目は右寄りのブローをうまく拾った選手が上位に来ていたため、今までの傾向だけを拠り所にして左に展開していった選手達は苦しんでいました。潮流も風軸方向から1ノット程度あり、 マークタッチをする選手が続出していました。

最終日にようやく佐藤が意地の走りを魅せてくれました。アウター寄りで良いスタートを決め、アウターループの第1マークから第3マークまでトップを維持していました。次のレグで強風が速いデンマークの選手 に抜かれてしまいましたが、ずるずると落ちて行くことも無く2位フィニッシュになりました。レース前の走り合わせでも良いセッティングで走れていましたので、ボートスピードの改善が良い結果に繋がったのだと思います。
女子もスタートに改善が見られ、1レース目に国見はアウターエンド2番手、林は7番手で良いスタートを決めました。特に林は強風域のスタートで頭を出すことができていなかったのですが、次に繋がる良いスタートだったと 思います。ただ体重が軽いせいもありスタートが良くてもその後の順位を落としてしまいました。しかし国見は何とか踏みとどまり、1レース目は13位、2レース目も19位と10番台でまとめ、強風域にも関わらず総合でも前日より2つ上げることができました。
1204_4.7youth-47.jpg▲シルバーフリート第11レースでトップを快走する佐藤1204_4.7youth-48.jpg▲最終第5マークにフルハイクで向かう林一方、高山は苦しみました。1レース目の4マーク回航は10位でしたが、次のクローズのレグの展開で2、3艇に抜かれてさらに2回目の第1マークでマークタッチ、次第に順位を下げたところに今度はリーチングが極端に遅くなってしまったらしくここでも大幅に遅れ、フィニッシュは何と29位まで落ちてしまいました。2レース目もうまくいかず、維持していた上昇傾向はここで途絶え、総合でも順位を落とすこととなってしまいました。
樋口は良いところなしで終わってしまいました。1レース目シングルで走っているところで沈をしてしまい、2レース目も3、4番手で走っているところで沈をしてしまいました。「沈」は当然ながら大きく遅れてしまいます。強風域のハンドリング強化が必須です。

藤谷コーチのレポートにもありますが、今回の世界選手権は前半2日間が微軽風域、後半4日間が中強風域であったことから、どの風域でもオールマイティに走れる選手が上位に残りました。軽い選手は前半元気でしたが風域が上がると上位を維持するのが難しくなっていたため、どの風域になっても戦える体重と体力の必要性を改めて認識しました。   
4.7級としては、オールマイティに戦えるベストの体重は60kg前後(57~62kg)ではないかと思いま す。最低でも55kgは必要ですが、65kgあると重すぎて軽風域がとても苦しくなります。日本国内ではレベル的に体重差を技術で補えることもできますが、海外では通用しません。世界を狙うならば、体重の軽い選手はより積極的に体重を増やすことと体力トレーニングをしてほしいと思います。

選手コメント】
国見:自分に合っていた風域が2日間でしたが、風域が上がっても大きく順位が落ちなくて良かったです。強風域で大きい選手に勝つためにはスタート、クローズのメイントリムを意識して練習していきたいと思います。

林:軽風の時の2日間は、思った以上の結果で、半分以上いけるのではないかと思っていましたが、強風になってから帆走で置いていかれてしまい、また、スタートも出遅れてしまって全然良い順位をとれませんでした。強風のクローズの走り方が分かったので、次のレースではスタートで頭を出して、第一線でトップ集団と一緒に走るようにしたいです。

樋口:初めてのレーザー世界選手権で正直これが世界だというより、これが自分の実力なのかと思い知らされました。帰国してもこの悔しさを忘れないで、人よりも努力して来年のワールドで世界一を目指したいと思います。

高山:レースの最初と終わりの結果が悪かったです。中盤から良くなりましたが、そのムラをなくし、安定した成績を取れるようにこれから練習を頑張ります。

佐藤:初めてのレーザーでの世界選手権だったので、緊張もあり、場慣れするのに時間がかかってしまいました。次回は今回の経験を生かして、あとはスタートを改善し、磨きを上げて頑張りたいと思います。


【総合成績】6日目 12レース終了
男子(参加艇数72艇)
高山達矢 28
25-(30)-(BFD)-19-15-6-2-9-22-5-29-24 150p(ゴールドフリート)
樋口 碧 39
9-(27)-(26)-13-18-22-15-14-8-17-7-11 134p(シルバーフリート3位)
佐藤宏樹 51
23-24-(30)-13-18-24-(29)-24-25-16-2-12 167p(シルバーフリート15位)

女子(参加艇数46艇)
国見彩乃 18 15-19-18-5-(31)-14-22-21-(30)-22-13-19 168p
林 佳奈 28  9-33-22-11-22-27-30-(34)-(37)-26-22-34 236p

1204_4.7youth-49.jpg▲軽風域でトップレベルのスピードがあるものの後半失速のオーストラリアVaughan1204_4.7youth-50.jpg▲続けて開催されるスタンダードジュニア世界選手権に参加する南里が応援に来てくれました
1204_4.7youth-51.jpg▲今年はキューブではなく豪華なカップです。                1204_4.7youth-52.jpg▲女子U18の表彰(左から2位スペイン、優勝ノルウェー、3位クロアチア)
1204_4.7youth-53.jpg▲男子U16の表彰(左から2位シンガポール、優勝スペイン、3位セルビア)                1204_4.7youth-54.jpg▲男子U18の表彰(左から2位スペイン、優勝ハンガリー、3位イタリア)
1204_4.7youth-55.jpg▲藤谷コーチと高山、林、国見
1204_4.7youth-56.jpg▲出艇準備を整えリラックスする樋口と佐藤
1204_4.7youth-57.jpg▲笑顔の日本チームの選手達。各参加国毎に参加賞のメダル授与がありました

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●2011.8.62011年 レーザー4.7級世界選手権 レポート
●2011.8.32011年 レーザーラジアル級ユース世界選手権 レポート
●2011.8.22011年 470級ジュニア世界選手権 レポート
●2011.7.252011テクノ293級 ウインドサーフィン U-17クラス世界選手権 レポート
●2011.7.25レーザースタンダード・ジュニア世界選手権 レポート
●2011.7.18ISAF ユースワールド2011 レポート
●2011.7.10東日本大震災 JSAFチャリティーフラッグ&ステッカーキャンペーン レポート
●2011.7.4ボードクラス 関西水域・ユニバーシアード派遣前 強化合宿 レポート
●2011.7.4ボードクラス 関東水域 強化合宿 レポート
●2011.6.23レーザーラジアルユース・4.7世界選手権代表選手強化合宿 レポート
●2011.6.10ダッチユースレガッタ2011 レポート
●2011.5.172011 ISAFジュニアユースワールド日本代表選考会 レポート
●2011.1.292010年 九州水域ジュニア・ユース強化合宿 レポート
●2011.1.142010年 ユースナショナルチーム候補合宿 レポート
●2011.1.11オーストラリアユースチャンピオンシップ レポート
●2011.1.72011年 420級世界選手権大会 レポート
●2010.12.242010年 470級ジュニア世界選手権 レポート
●2010.9.162010年 スナイプ級西半球および東洋選手権大会 レポート
●2010.9.162010年 第23回全日本420級選手権大会 レポート
●2010.9.8関西・四国・中国水域強化合宿 レポート
●2010.8.28関東水域強化合宿 レポート
●2010.8.28第1回 ユースオリンピック大会 レポート
●2010.8.2420級世界選手権大会 レポート
●2010.7.27レーザーラジアル ユースワールドチャンピオンシップ レポート